ブレーカーが落ちる原因や復旧方法は?防ぐための対策
2026年01月16日
2026年01月16日

「ブレーカーが頻繁に落ちて困る…」──こんなお悩みはありませんか? ブレーカーが落ちると、照明やテレビが消えたり、電子レンジや洗濯機が止まったりと、電気が使えない状態になります。
今回はブレーカーの役割について押さえた上で、ブレーカーが落ちる原因や復旧方法、落ちるのを防ぐための対策などについてご紹介していきます。ブレーカーが落ちたときに備えて、ご家族で対処方法をマスターしておきましょう。
「ブレーカーが落ちる」とは?
そもそも、「ブレーカーが落ちる」とはどういった状態を指すのでしょうか。
電力会社から各家庭に供給される電力は、分電盤から複数の電気回路に分配されています。ブレーカーとは、分電盤に設置された安全装置のこと。許容電流を超えて電気が流れる過電流や漏電などの異常を検知すると、電流を遮断して感電や火災などの事故を防ぐ役割を持っています。
分電盤には、「アンペアブレーカー」「漏電ブレーカー」「安全ブレーカー」の3種類のブレーカーが設置されています。いずれのブレーカーも平常時はレバーが上を向いていますが、異常を検知すると自動的にレバーが下がるとともに、電流の流れが遮断されます。これが「ブレーカーが落ちる」という状態です。
3種類のブレーカーの役割

分電盤に設置されている3種類のブレーカーは、電気を安全に使用するためにそれぞれ異なる役割を持っています。
アンペアブレーカーの役割
アンペアブレーカーは、契約ブレーカーやサービスブレーカーとも呼ばれています。アンペアブレーカーは、電力会社との契約アンペア数に基づいて、家全体の電力の使用量を管理する役割を担っています。家全体で使用する電力が設定された契約アンペア数を超えると、自動的に電流が遮断され、家全体に電気が供給されなくなります。
アンペアブレーカーは、通常、分電盤の左側に設置された大きなブレーカーです。ただし、スマートメーターが設置されている場合は、スマートメーターにアンペアブレーカーの機能が内蔵されていると、アンペアブレーカーが設置されていないことがあります。
漏電ブレーカーの役割
漏電ブレーカーは漏電遮断器とも呼ばれ、漏電を検知すると電流の流れを遮断する役割があります。
正常な状態では、電流は電気配線や電化製品の決められた回路を流れています。電気配線や電化製品には絶縁処理が施されているため、外部に電気が漏れることはありません。漏電とは、決められた回路から電気が外部に漏れてしまう状態です。漏電が起こると、感電や火災などの事故が起きる可能性があり危険です。
また、正常な状態では、電気配線を通って電化製品へ流れる電流と、電化製品から戻る電流の量は同じです。しかし、電気が外部に漏れていると、戻ってくる電流の量が少なくなることを利用して、漏電ブレーカーは両者の差を検知する仕組みとなっています。
漏電ブレーカーは通常、分電盤の中央に設置されています。
安全ブレーカーの役割
安全ブレーカーは、部屋やコンセントで分けられた電気回路ごとの電気を管理する装置です。配線用遮断器や分岐ブレーカーとも呼ばれています。
安全ブレーカーは、リビングダイニングやキッチン、寝室といった部屋やコンセントで分けられた電気回路につながっています。IHクッキングヒーターなどの200Vの機器は専用回路が設けられているほか、エアコンなどの消費電力が大きい電化製品用のコンセントも、回路が分けられていることがあります。
安全ブレーカーは特定の回路で過電流やショートを検知すると、電流の流れを遮断します。ショートとは、コードに施された絶縁処理が剥がれるなどして、配線同士が抵抗なしに接してしまい、大量の電流が流れることを指します。ショートが起きると、火花が散ることが多いです。
安全ブレーカーが落ちたときは、特定の回路の電気のみが使えない状態となり、ほかの回路から電流が流れている部屋の電気は使用できます。反対にいえば、下がっているレバーを確認すれば、ブレーカーが落ちた回路が分かります。
安全ブレーカーは通常、分電盤の右側に複数設置されています。
ブレーカーが落ちる主な原因
ブレーカーが落ちる理由は主に4つあり、電気の使用状況や電気設備の状態によるものです。ブレーカーが落ちる原因によって、落ちるブレーカーの種類は異なります。
契約アンペア数を超えて電気を使いすぎている
ブレーカーが落ちる原因の1つ目は、家全体で契約アンペア数を超えて電気を使いすぎていることによるものです。契約アンペアとは、電力会社との契約により、電気を同時に利用できる最大容量のことをいいます。
契約アンペア数を超えて電気を使うと、アンペアブレーカーが落ちて家全体の電流が遮断されます。安全ブレーカーにつながる電気回路ごとの容量は守られていても、家全体の電気の使用量がオーバーしていれば、アンペアブレーカーが落ちます。
例えば、契約アンペア数が40Aのケースで、家全体で45A相当の電力を同時に使用すると、アンペアブレーカーが落ちてしまいます。
漏電が起きている
2つ目は、家のどこかで漏電が起きているのが原因です。漏電が起きて漏電ブレーカーが落ちた場合も、家全体の電流の流れが遮断されます。漏電の原因として、電気配線の破損、電化製品の内部の回路の故障やコードの破損のほか、電気配線や電化製品の水ぬれが挙げられます。
電気配線が古くなると被膜の劣化によってヒビが入り、電気が漏れることがあります。家屋に侵入したネズミなどの小動物、あるいはペットが、電気配線やコードをかじって傷つけることも、漏電の原因です。
また、キッチンや洗面所、トイレなどの水回りは湿気が多く、電気配線や電化製品に水がかかりやすいことから、こうした水気によって漏電が引き起こされることもあります。
一部の部屋で電気を使いすぎている
3つ目の原因は、特定の回路での電気の過剰な使用です。特定の回路やコンセントで電気の過剰使用による高負荷が起きたときには、当該の回路につながる安全ブレーカーが落ちます。
例えば、リビングダイニングでアイロンとドライヤーを同時に使用し、1つの回路の許容電流の容量を超えた場合には、リビングダイニングの回路とつながる安全ブレーカーが落ちます。一方で家全体の電力の使用量が契約アンペア数を超えていなければ、アンペアブレーカーは落ちません。
電化製品やコードがショートしている
4つ目の理由として電化製品やコードのショートが挙げられ、特定の回路に一度に大量の電流が流れることにより、安全ブレーカーが落ちます。ただし、ショートが起きたときには、アンペアブレーカーや漏電ブレーカーも落ちることがあります。
古いコードの被膜の劣化のほか、コンセントとプラグの間にホコリなどがたまることも、ショートが起こる要因です。使用中の家電が少ないにもかかわらずブレーカーが落ちたなら、外見に焦げ跡が見当たらなくてもショートの可能性があります。
ブレーカーが落ちたときの復旧方法

ブレーカーが落ちたときには、落ちたブレーカーのレバーを戻す前にやるべきことがあります。ブレーカー別に復旧方法をまとめました。
アンペアブレーカーの復旧方法
アンペアブレーカーが落ちるのは、契約アンペア数を超えて電気を使っているのが原因です。同時に使用していた電化製品を減らさなければ、アンペアブレーカーのレバーを上げてもすぐにまた落ちてしまいます。
そこで、使用している電化製品の電源をいくつか切ってから、アンペアブレーカーのレバーを上げて、復旧後は同時に使用する電化製品の数を減らしましょう。
スマートメーターにアンペアブレーカーの機能が内蔵されている場合には、自動で復旧します。しかし、そのままの状態ではまた電流が遮断されてしまうため、使用する電化製品の数を減らす必要があるのは同様です。
漏電ブレーカーの復旧方法
漏電ブレーカーを復旧する際には、応急措置として漏電箇所を把握します。
まず、すべてのブレーカーのレバーを下げます。次に安全ブレーカーのレバーはすべて下げた状態のまま、アンペアブレーカーと漏電ブレーカーのレバーを上げます。そして、安全ブレーカーのレバーを1つずつ順番に上げていき、漏電ブレーカーが再び落ちてしまったら、その安全ブレーカーにつながる回路が漏電している可能性があるため、レバーを下げます。その後、漏電ブレーカーのレバーを再び上げて、ほかの安全ブレーカーのレバーを上げます。
漏電ブレーカーが落ちた原因となる回路を特定できれば、ほかの回路は安全に使えます。しかし、漏電が疑われる状態のままにしておくのは危険なため、電力会社や電気工事会社に点検を依頼しましょう。
安全ブレーカーの復旧方法
安全ブレーカーが落ちた場合には、当該の回路で電気を使いすぎただけでなく、ショートが起きた可能性も踏まえて復旧する必要があります。
まず、レバーが落ちた安全ブレーカーを確認します。次に落ちた安全ブレーカーにつながる回路の場所で使用していた電化製品のコードをコンセントから抜くか、電源を切ります。コードをチェックして、キズや焦げた跡が見つかった場合にはショートした可能性があるため、コンセントから外しておきます。そして、安全ブレーカーのレバーを上げた後、再び電化製品を使用する際には、同時に使用する数を減らします。
電化製品がショートした場合には、再び電源を入れると発火するおそれがあるため、使用を避けましょう。
ブレーカーが落ちるのを防ぐための対策
ブレーカーが頻繁に落ちてしまう場合には、その都度、電化製品の電源が切れてしまうため、日常生活に支障をきたします。ブレーカーが落ちる原因をもとに、ブレーカーが落ちるのを防いで、安全に電気を使うための対策をまとめました。
契約アンペア数を見直す
アンペアブレーカーが頻繁に落ちる場合には、契約アンペア数の見直しを検討しましょう。
電力会社と契約した当初は契約アンペア数が十分な容量であったとしても、家族の人数やライフスタイルの変化によって、足りなくなることがあります。昨今の地球温暖化による猛暑の影響から、エアコンの設置台数を増やしたり、使用頻度が高くなったりしていることも、同時に使用する電気の容量が大幅にアップする要因です。
契約アンペア数を見直す際には現在の契約アンペア数を確認しておきましょう。アンペアブレーカーが設置されている場合は、アンペアブレーカーに契約アンペア数が書いてあります。アンペアブレーカーがない場合には、検針票や電力会社のWEBページなどで確認できます。
契約アンペア数の検討にあたっては、1年間でもっとも多く同時に電気を使用する時期や時間帯を想定して、必要な容量を検討するのがポイントです。電化製品の消費電力はワット数で表示されているのが一般的ですが、一般家庭用の電圧である100Vの回路の場合は「100W=1A」として考えます。
例えば、各部屋のエアコンや照明器具、キッチンの冷蔵庫や炊飯器、電子レンジ、電気ケトル、リビングのテレビ、洗面所のドライヤーなど、同時利用が想定される電化製品の消費電力のワット数を足してアンペアに換算すると、契約アンペア数の目安が算出できます。
ただし、電力会社との契約形態によっては、契約アンペア数を増やせないケースがあります。契約アンペア数を見直す際には、基本料金などの料金形態についても確認しておくと安心です。
また、アパートやマンションなどの集合住宅では、建物全体の電気容量の問題などから、契約アンペア数を増やせないケースがあります。賃貸物件にお住まいの場合は、契約アンペア数の変更には、事前にオーナーや管理会社の許可が必要です。
コンセントを分ける・増設する
契約アンペア数は十分であっても、特定の回路の過負荷が原因で安全ブレーカーが頻繁に落ちる場合には、電気回路の分割やコンセントの増設を検討しましょう。
一般的なブレーカーの1つの回路で利用できるのは、20A(電圧100Vの場合で2000W)までです。一般的な家庭用コンセントは15A(電圧100Vの場合で1500W)までの電流を流すことができます。同時に利用する家電の消費電力がこの基準を下回るように、電気回路の分割やコンセントの増設を検討します。
また、たこ足配線は過電流による発熱や発火のおそれがあることからも、同時に利用する電化製品の消費電力に合わせて、コンセントを増設するのが望ましいです。特に、消費電力が高い複数の電化製品を、同じコンセントや電源タップに差して使用するのはリスクがあります。
家電の同時利用を避ける
アンペアブレーカーや安全ブレーカーが落ちるのを防ぐには、家電の使い方を見直す方法もあります。
アンペアブレーカーが頻繁に落ちる場合は、同時に利用する電化製品の数を減らす必要があります。特にエアコンや電子レンジ、炊飯器、ドライヤー、洗濯乾燥機の乾燥機能といった消費電力の大きい電化製品の同時使用を避けると効果的です。例えば、消費電力の大きい電子レンジを使用する際に、同時にドライヤーを使うのを避けましょう。
〈主な電気機器のアンペアの目安〉
| 電気機器の種類 | アンペアの目安 |
|---|---|
| インバータエアコン (冷房時おもに10畳用平均) |
冷房:5.8A/立ち上がり時14A 暖房:6.6A/立ち上がり時20A |
| 電子レンジ (30L) |
15A |
| IHジャー炊飯器 (5.5合) |
炊飯時:13A |
| ヘアドライヤー | 12A |
| ドラム式洗濯乾燥機 (洗濯・脱水容量9kg) |
洗濯時:2A 乾燥時:13A |
出典: 東京電力エナジーパートナー|主な電気機器のアンペアの目安
一方、安全ブレーカーが頻繁に落ちる場合には、同時に利用する電化製品を変えなくても、使う場所を変更すれば対応できるケースもあります。例えば、キッチンの調理台のコンセントと、背面のカップボードのコンセントの回路が分かれている場合には、片方のコンセントに家電が集中するのを避けると、安全ブレーカーが落ちるのを回避できることがあります。
漏電対策を講じる
漏電によって感電や火災のリスクがあるため、漏電ブレーカーが落ちたことがなくても、防止策を講じておきましょう。
洗濯機や温水洗浄便座など、水回りで使用する電化製品には必ずアース線を接続しておきます。また、電化製品を湿気の多い場所で使用したり、電化製品やコンセントをぬれた手で触ったりするのは避けましょう。電気配線が古く劣化している場合には交換工事が必要です。古い電化製品のコードや延長コードが傷んでいる場合には、使用をやめて早めに交換しましょう。
また、漏電やショートを防ぐには、コンセントまわりを定期的に掃除し、ホコリをためないことも大切です。
専門業者に相談するべきケースとは

アンペアブレーカーや安全ブレーカーが落ちても、使用する電化製品を減らしてレバーを上げると復旧できる場合には、問題のないケースがほとんどです。しかし、漏電ブレーカーが落ちた場合など、専門業者に相談するべきケースもあります。
漏電が疑われるケース
漏電ブレーカーが落ちて漏電が疑われるケースは、感電や火災が発生するリスクがあるため、そのまま放置するのは厳禁です。
先述した漏電ブレーカーの対応手順により、漏電した回路が特定できた場合には、安全ブレーカーのレバーを下げて、当該の回路に電流が流れないようにしておきます。できるだけ速やかに、電力会社や電気工事会社などの専門業者に点検などを依頼しましょう。
漏電した回路が特定できない場合には、このままでは電気を安全に使用するのが難しいため、早急に電力会社や電気工事会社に連絡する必要があります。
ブレーカーの故障が疑われるケース
同時に多くの電化製品を使用しておらず、漏電やショートもしていないにもかかわらず、ブレーカーが頻繁に落ちてしまうケースでは、ブレーカーが故障している可能性があります。
住宅用のブレーカーは13年程度での交換が推奨されています。ブレーカーの老朽化による故障が疑われる場合にも、電力会社や電気工事会社へ相談しましょう。
ブレーカーが落ちる原因が分からないケース
ブレーカーが落ちる原因が分からない場合も、一度、電力会社や電気工事会社へ相談するのが望ましいです。特に漏電は感電や火災が発生するリスクがあるため、自己判断で対処するのは危険です。
まとめ:漏電が疑われる場合は専門業者へ相談を!
ブレーカーが落ちたときに危険があるのは、漏電やショートが原因となるケースです。
アンペアブレーカーや安全ブレーカーが落ちた場合には、電化製品の電源を切って、同時に使用する数を減らしてから、レバーを上げて復旧します。ただし、安全ブレーカーが落ちた場合にはコードなどがショートした可能性もあるため、コードに破損や焦げた跡がないか確認する必要があります。
漏電ブレーカーが落ちた場合には、安全ブレーカーのレバーをすべて下げた後、アンペアブレーカーと漏電ブレーカーを上げて、漏電した箇所を特定し、漏電が疑われる回路以外の安全ブレーカーを戻します。漏電が疑われる場合には、電力会社や電気工事会社などに速やかに相談する必要があります。
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